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レッドホットジャム Vol.40 痴漢電車 : いちこ, 姫川麗

今日も満員電車に揺られ片道40分の通勤だ。電車は3回乗り換える。そのどれもがいつも満員。朝、シャワーを浴びても会社つけば、まるでサッカーを全後半したぐらい汗をかく。サウナか。いや、それよりもひどい。他人の体臭がスーツにこびりつく。さまざまな香水、シャンプーのような香り、時には口紅やマスカラなんかが付くことなんかもある。

そんな通勤をもう6年も続けているのだ。窮屈で本も読めやしない。携帯だって迷惑だから電車内では触らないようにする。最初の頃は仕事のことなどを考えて過ごした。しかし、最近は、考えることといったら人間観察しながら、好み ...すべて読む

の女性をみながらエッチな想像をすることだ。何せ窮屈で暇なのだ。そんなことぐらいしか、楽しみがない。無論、痴漢がどういうものかはわかっているし、軽蔑もする。だから両手はなるべくつり革にぶら下げる。と、最初は正義感もあったが、6年である。毎日である。偶然、目の前に綺麗な女性が背中を向け、股間に彼女のオシリが密着することだってある。そうすれば、普通の男性なら、ヘンなことの一つや二つ考えるのが当たり前だ。

「やっ、止めてください・・・。」両手はつり革だ。しかし、股間の第三の手が彼女のお尻の割れ目に擦れているのが自分でもわかる。いや、性格には本能的に自ら擦ってしまっているのだ。魔が差すとはこういうことか。パンツの食い込みになぞってスリスリとすることの気持ちよさ、人ごみ、ということが余計に興奮を増し、「変態行為」をしているということに気持ちはさらに高ぶる。女性は唇をかみ締めていたが突然振り返り言い放った。

「次の駅で一緒に降りてください。」

空白になった。今まで生きてきた全ての出来事が走馬灯のように流れた。なぜか、小○生の時の初恋の女の子が最後に浮かんだ。そして、その子を会社の上司が犯○という設定が浮かび、思わず、苦笑いした。人生が終わったと本気で思った。

駅に着き、扉が開き、手を引かれ、それはもう、子供が持っている風船のように彼女の行く先に流れるようについていった。

押し込まれた場所は女子便所だった。どうやら彼女も興奮していたらしい。勢いよくズボンのチャックを下ろしてきて、怯えて小さくなった男根にしゃぶりついてきた。世の中まだ捨てたもんじゃない。

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